[ニューヨーク 1日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが上昇し、一時主要通貨バスケットに対し3カ月ぶり高値を付けた。しかし、6月の米雇用統計の発表を2日に控え、狭いレンジでの取引となった。
終盤の取引で、ドル指数は0.2%高の92.572。一時92.602と、4月上旬以来の高値を付けた。
ドル/円は0.4%高の111.560円。一時、15カ月ぶり高値となる111.640円を付ける場面もあった。
ロイターのエコノミスト調査によると、6月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が70万人増と、5月の55万9000人増から伸びが加速するほか、失業率も前月の5.8%から5.7%に改善するとみられている。
TDセキュリティーズのFX戦略欧州主任、ネッド・ランペルティン氏は「ドルが雇用統計発表まで堅調に推移することはおおむね想定されていた」としつつも、「米連邦準備理事会(FRB)が短期的にタカ派色を強めるという見通しが雇用統計によって裏付けられなければ、ドルが今後どの程度上昇するかは不透明」と述べた。
朝方発表された6月26日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は36万4000件と、前週の41万5000件から予想以上に改善したことはドルを支援した。しかし、米供給管理協会(ISM)がその後発表した6月の米ISM製造業景気指数が前月から鈍化し、雇用も7カ月ぶりに縮小したことを受け、ドルは上げ幅を縮小した。
ユーロ/ドルは4月6日以来の安値となる1.1837ドルに沈んだ後、終盤は0.1%安の1.1843ドル。
豪ドルも0.5%安の0.7464米ドル。一時、昨年12月21日以来の安値を付けた。感染力の強い新型コロナ変異株(デルタ株)を封じ込めるため、シドニーなどは2週間のロックダウン期間に入っている。