[ロンドン 12日 ロイター] – 英国のジョンソン首相は12日、イングランドでまだ実施されている新型コロナウイルス感染拡大抑制措置の大部分を計画通りに19日に解除するにあたり、国民に警戒を促すとともに、感染者数は増加しており、パンデミック(世界的大流行)は終息していないと強調した。

記者会見で「われわれは今が進むべき適切な時だと考えている。ただ、慎重に進むことが絶対的に重要であり、このパンデミックが終息したと力強く断言することはできない」と指摘。「このような措置を実施するためには慎重さとワクチン接種が必要」とし、そうでなければ、イングランドで「新型コロナ感染症による入院者数と死者数が増加する」とした。

これに先立ち、英国のジャビド保健相は、イングランドでマスク着用やソーシャルディスタンシング(社会的距離の確保)の義務などの措置が19日付で解除されると表明。ただ、ワクチン接種の進展で新規感染者数と死亡者数との連動は「大幅に低下」したものの、完全に断ち切られたわけではないとし、国民に対し責任をもって行動するよう呼び掛けた。

また、公共交通機関のような混雑するエリアでは引き続きマスクを着用し、職場への復帰も段階的なものにすべきと指摘。大規模イベントを開催する企業に対しては陰性証明書などの活用を推奨した。

英国では感染者数が急増しており、夏にかけて1日の新規感染者数が10万人を超える恐れがあるとの見方も出ている。