[16日 ロイター] – 英イングランド主任医務官のクリス・ウィッティ氏は15日、英国の新型コロナウイルス感染状況はワクチン接種プログラムにより大きく改善したが、規制の全面解除は慎重に進める必要があると述べた。
政府は、迅速なワクチン接種の進展により感染が重症化・死亡におおむね直結しなくなったとして、19日にイングランドで大半の規制を緩和する予定。
しかし、ウィッティ氏は科学博物館主催のオンラインイベントで、「驚くほど速く、困難な事態に再び陥る恐れがあるという事実を過小評価すべきでないと思う。ワクチンプログラムや薬剤その他さまざまな要因のおかげで事態は大きく改善しているが、まだ危機を脱したわけでは全くない」と述べた。
英国のコロナ死者数は世界最多の水準だが、現在は成人の3分の2がワクチンの完全接種を完了している。
ジョンソン首相は19日、イングランドを規制緩和第4段階に移行する方針。これにより、法的なロックダウン(都市封鎖)が終了し、ナイトクラブなど最後まで閉鎖されていたビジネスが再開される。
ロザリンド・フランクリン研究所のディレクター、ジェームズ・ナイスミス氏は「デルタ変異株の新規感染の増加は、長期新型コロナ感染症、入院、死亡につながる恐れがある」とし「安全で効果的なワクチンの接種でこれらの関連性は大きく変化したが、関連性が完全に消えたわけではない」と警告。英国の16日の新規感染者数は5万1870人と、1月15日以来の高水準を付けた。