[ロンドン 19日 ロイター] – 英イングランドで19日、新型コロナウイルス対策の規制がほぼ全面的に解除された。ジョンソン首相は「フリーダム・デイ(自由の日)」と位置付け、ワクチン普及を背景に経済再生を目指すが、国内では感染者数が再び急増しており、パンデミック(世界的大流行)脱却に向けた道のりはなお不透明だ。
イングランドでは19日から、屋内でのマスク着用義務、バーやレストランの人数制限、集会の人数制限などが撤廃された。
また、必要不可欠な職務の従事者については、新型コロナ感染者と濃厚接触があったとしても、10日間の自主隔離の対象から除外される。
しかし、このところ1日当たりの新規感染者は約5万人迫っている他、スーパーマーケットや鉄道、パブなどで働く数十万人の労働者が濃厚接触者として自主隔離を強いられている。
ジョンソン首相自身も、ジャビド保健相がコロナ検査で陽性反応が出たことを受け、スナク財務相と共に自主隔離に入っている。
一方、英国でのワクチン接種は順調に進んでおり、1回目のワクチン接種を終えた人が成人人口の87%、2回目も完了した人は68%超と、他の欧州諸国を上回っている。
ジョンソン首相は、18歳以上の成人がワクチンを完了する見通しとなっている9月末以降は、2回のワクチンを接種したことを示す証明書をナイトクラブや多くの人が集まる場所への入場の条件にする方針を明らかにした。
ロンドン株式市場では、景気回復頓挫を巡る警戒感を反映し、コロナ規制撤廃によって恩恵を受けるとみられる銘柄が下落。FTSE350旅行・レジャー株が3.6%下落し、昨年11月23日以来の安値を付けた。クルーズ船運航カーニバルや航空イージージェット、ブリティッシュ・エア ウェイズ(BA)の親会社IAGは軒並み5─10%安。英ポンドも3カ月ぶり安値に沈んだ。