<東京五輪:スポーツクライミング>◇4日◇女子複合予選◇青海アーバンスポーツパーク

新競技のスポーツクライミング女子複合予選で、日本の野中生萌(24=XFLAG)、野口啓代(32=TEAM au)がそろって決勝進出を決めた。野中は全体3位、野口は同4位。痛みをこらえて戦った野中と現役引退を表明している野口が、初代女王の座をかけて6日の決勝に臨む。

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右手首と右膝にテーピングを巻いた野中が、力強く登り切った。1種目のスピードでは、7秒55の日本新記録をマークしてガッツポーズ。しかし、得意とする2種目のボルダリングではケガが気になり、1課題しか完登できなかった。「ボルダリングは3D的な動きを求められる要素が多く、どうしても痛みが出るのをかばえない。かなりつらい戦いでした」。それでも「やるしかない」と奮起し、3種目のリードで高度30に到達して3位に入った。

初代女王をかけて6日の決勝に挑む。「ファイナルに残れたらやるだけなので。痛いとか言っていられないので。骨1本でも2本でも、折れてもいいと思っています。全力で頑張ります」とたくましく宣言した。

○…野口は1種目のスピードで自己ベストの8秒23を出した。「公式のベストタイムは出たけど、(非公式の)自己ベストではなかった。まだまだタイムが出せそう」と余力もありそうだ。2種目のボルダリングは3完登で3位。ラストのリードでは6位と記録が伸びなかった。今大会限りでの現役引退を表明しており、「最高のパフォーマンスとは言えない。あさって最高のパフォーマンスができるように、明日ゆっくりしたい」と切り替えた。