[カブール 9日 ロイター] – 米軍撤退完了を前にアフガニスタンで勢力を拡大させている反政府武装勢力タリバンは9日、北部サマンガン州の州都アイバクを制圧した。これで6州の州都がタリバンの勢力下に入った。
タリバンはこれまでに北部のクンドゥズ、南西部のラシュガル・ガーの2州都を制圧。週末の間に南部のザランジ、北部のサリプル、北東部のタロカーンの3州都を勢力下に置いていた。
イランとの国境に近い西部の都市、ヘラートでは郊外で激しい戦闘が行われており、同市の病院関係者によると、過去11日間で36人が死亡、220人が負傷した。負傷者の半数以上が一般市民で、死亡者には女性と子どもが含まれているとしている。
また、国連児童基金(ユニセフ)は9日、南部カンダハル州で過去72時間以内に20人の子どもが死亡、130人の子どもが負傷したと報告した。
こうした中、英国のウォレス国防相は、一部の北大西洋条約機構(NATO)同盟国に対し、米軍が完全に撤退した後、アフガニスタン駐留軍を維持するよう呼び掛けたが、十分な支持は得られていない。
米政当局は匿名を条件に、駐留米軍撤退を受けアフガニスタン各州の州都がタリバンの手に落ちる恐れがあるとこれまでも警告がなされていたとしながらも、タリバンがこれだけ迅速に一部の州都を制圧したことに驚いていると述べた。