[18日 ロイター] – アフガニスタンの全権を掌握したイスラム主義組織タリバンの幹部がロイターのインタビューに応じ、アフガニスタンは評議会により統治され、タリバンの最高指導者ハイバトゥラ・アクンザダ師が実権を握る公算が大きいと述べた。
インタビューに応じたのはタリバンのワヒードラ・ハシミ氏。ハシミ氏は、評議会議長が大統領のような役割を果たし、アクンザダ師は評議会議長の上に立つ公算があると英語で述べた。
その上で、アクンザダ師の副官がいわゆる「大統領」の役割を果たす可能性があると語った。アクンザダ師にはMawlavi Yaqoob氏、Sirajuddin Haqqani氏、Abdul Ghani Baradar氏の3人の副官がいる。
タリバンがアフガニスタンをどのように統治するかについて、多くの点で最終決定されていないとしながらも、アフガニスタンが民主国家になることはないと言明。「われわれの国には民主主義の土台が全くないため、民主的なシステムは構築されない。どのような政治システムをアフガニスタンに適用するか、われわれが話し合うことはない。イスラム法(シャリーア)以外の統治はない」と述べた。
ハシミ氏によると、タリバン幹部は週内に統治に関する会合を開く。
このほか、タリバンはアフガニスタン軍の元パイロットや兵士も参画する新たな軍隊を設置すると表明。アフガニスタン政府のために戦った兵士の多くはトルコのほか、ドイツや英国で訓練を受けているとし、タリバンは軍に戻るよう呼び掛けると述べた。
ただ、過去20年にわたりタリバン勢力により数千人のアフガニスタン兵士が殺害されており、こうした計画が成功するかは不明。ハシミ氏が描いた構想は、タリバンがアフガニスタンを制圧していた1996─2001年の権力構造に酷似している。