[シンガポール 18日 ロイター] – アフガニスタン中央銀行のアフマティ総裁代行は18日、同国の外貨準備は大半が海外の口座に預託されており、イスラム主義組織タリバンはアクセスできないとの見方を示した。ツイッターへの投稿で、タリバンがカブールを制圧した後、外貨準備が不正に利用された事実はないと述べた。

中銀の外貨準備は約90億ドル。このうち約70億ドルは現金、金、米国債などの証券の形で米連邦準備理事会(FRB)の口座に預託されており、あとは国際決済銀行(BIS)などの海外の口座にある。タリバンがアクセスできるのは全体の0.2%以下という。

総裁代行は「外貨準備が不正に利用された事実は一切ない」とし「準備口座からは一銭も盗まれていない。米財務省外国資産管理室がタリバンに外貨準備へのアクセスを認めるとは思えない」と述べた。

タリバンは国庫や公共施設、政府事務所は国の所有物と主張している。総裁代行によると、タリバンは中銀スタッフに資産のありかをたずねている。ただ同国の経常収支は大幅な赤字で、数週間おきに現金が中銀に輸送されていると説明。「治安状況が悪化し、物流が停止しているため、中銀に現金はほとんどない」と指摘した。

中銀が銀行に十分なドルを供給できないため、通貨アフガニが下落すると予想。それに伴い食品などが値上がりし、市民が打撃を受けることになると述べた。