[24日 ロイター] – 先進7カ国(G7)は24日、アフガニスタン情勢を巡る緊急首脳会議を開催し、国外退避を望むアフガン人が退避期限の8月末以降も安全に移動できるよう、イスラム主義組織タリバンに求めることで一致した。一方、退避期限の延長には至らなかった。

英国のジョンソン首相は会議後、「G7は本日、退避に関する共同アプローチだけでなく、タリバンとの関与についてのロードマップにも合意した」と表明。その上で「G7としての第一の条件は、8月31日まで、そしてそれ以降も、退避を希望する人々に安全な通行を保証することだ」と述べた。

カナダのトルドー首相は記者団に対し「資金面であれ、食料安全保障の面であれ、タリバンが建設的かつ積極的な扱いを望むのであれば、国際社会はタリバンに対して一定の明確な期待を要求する」とし、「現時点での空港へのアクセスに加え、今後数週間も人々の出国を認めることが非常に重要になる」との考えを示した。

こうした中、米国のバイデン大統領はG7会合の席で、過激派組織「イスラム国」側からの脅威を理由に、8月末以降も米軍をアフガンに駐留させることは「さらなるリスク」を伴うと説明。ホワイトハウスのサキ大統領報道官は声明で「日を追うごとに『イスラム国』からの脅威が増しており、米軍へのリスクが高まっている」と強調した。また8月末までに任務を完了できるかは、退避者の空港へのアクセスなど、タリバン側との調整の継続にかかっているとした。

英国のラーブ外相は、スカイニュースのインタビューで、軍の撤退後もアフガンの空港が機能することを望むと発言。「われわれが本当にできることは、タリバンがカブールで機能的な空港を運営することだ」とし、そのために近隣諸国が協力することは可能だと述べた。

共同声明では「国際社会による新たな人道的努力により、アフガンへのコミットメントを確認」したほか、「国連や20カ国・地域(G20)を通じて同盟国や地域諸国と連携していく」姿勢を明確にした。

フランス大統領府の当局者は、タリバンが全てのテロ組織との関係を断ち切り、テロとの戦いに従事することが優先課題になると指摘した。