[ワシントン/ロンドン/ベルリン/アンカラ/国連/カイロ 26日 ロイター] – アフガニスタンの首都カブールにある空港周辺で26日、少なくとも2回の爆発があり、米軍関係者や民間人などに死傷者が出た。米国防総省は「複数」の米兵が死亡したと発表。ある米当局者は少なくとも12人の米兵が死亡したと明らかにした。

その後、過激派組織「イスラム国(IS)」は系列のニュースチャンネルを通じ犯行声明を発表し、ISグループの自爆攻撃によって約60人が死亡、タリバン兵士を含む100人以上が負傷したと主張した。

これに先立ち、米議会関係者は米政府がIS系の「イスラム国コラサン」(ISIS-K)が実施したと確信していると話していた。ISIS─Kは米国およびイスラム主義組織タリバンと対立している。

また、タリバン幹部はカブール空港への攻撃は全世界から非難されるべきテロ行為であり、アフガニスタンに駐留する外国軍が原因と述べた。トルコのテレビ局が伝えた。

タリバン関係者によると、爆発で子どもを含む少なくとも13人が死亡し、52人が負傷。タリバン兵の多くも負傷したという。

また複数の米関係者によると少なくとも1回の爆発は自爆テロによるものという。

在アフガン米大使館は「大規模な爆発」があったとし、銃撃戦も報告されているとした。

米当局者は空港での新たな攻撃を懸念しているが、関係者によると、今回の爆発を受けバイデン大統領が8月31日の退避期限を変更する兆しはないという。

英国のジョンソン首相もカブール空港での退避活動を続けると表明した。

一方、ドイツの治安当局者は、カブール空港からのドイツ軍の退避が完了したと指摘。ただ、メルケル首相はドイツはアフガニスタンからの退避希望者を引き続き支援すると述べた。

外交筋によると、国連のグテレス事務総長は来週30日に安全保障理事会の常任理事国である米、英、フランス、中国、ロシアの各国連大使とアフガニスタン情勢に関する会議を開く。