金融市場の焦点が米ワイオミング州から経済統計に移ります。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は27日にジャクソンホール会合で、「われわれは、今後入手するデータと変化するリスクを慎重に見極めていく」と述べました。今週末に発表される8月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の75万人増加が予想されています。6月や7月からは減速しますが、それでも今年初めに比べて強いペースでの増加が見込まれています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
深刻な危険
米軍はアフガニスタンの首都カブールの空港に向かっていた車両を、無人機ドローンで攻撃した。車両には複数の自爆犯が乗っており、二次的に起きた爆発は車両に「大量」の爆発物が積まれていたことを示唆していると米中央軍は説明。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はこれより先、カブールがなお「深刻な危険」にさらされていると発言。米軍のアフガン撤退期限を8月31日に控え、タリバンはカブールで空港のゲート3カ所を掌握したと発表した。
16年前の悪夢
ハリケーン「アイダ」がルイジアナ州沿岸に上陸した。風は2005年に同州を襲ったハリケーン「カトリーナ」よりも強力で、ニューオーリンズは洪水や停電などの大規模な被害に見舞われる恐れがある。米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、勢力「カテゴリー4」のアイダは最大風速が時速150マイル(秒速約67メートル)。この日はカトリーナの上陸からちょうど16年に当たる。カトリーナは同地域に多大な被害をもたらし、1800人以上が命を落とした。
前倒しの可能性
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、コロナワクチン接種完了から8カ月を待たずにワクチンのブースター(追加免疫)接種を受けられるようにする可能性は開かれているとの考えを示した。バイデン大統領が早期の接種を提案したことについて、ファウチ氏は「引き続き8カ月後で計画中だ」としつつ、「データに基づいて変更することに全く異存はない」とNBCで発言した。
ウイニングラン
パウエルFRB議長はジャクソンホール会合で、資産購入のテーパリング(段階的縮小)の年内開始を示唆するこれまでで最も強いシグナルを発したが、金融市場には惨事の兆候は出ていない。ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのマイケル・アローン氏は、「パウエル氏と連邦準備制度はテーパリングのやりとりを知らせ、タントラムを回避した功績を大いに称賛されるはずだ。ちょっとしたウイニングランができると思う」と指摘した。
英国とTPP
トラス英国際貿易相は環太平洋連携協定(TPP)参加に向けた交渉について、英政府として2022年末までの完了を目指す方針を明らかにした。英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで語った。TPP加盟11カ国との協議が欧州連合(EU)離脱後の通商アジェンダ「グローバル・ブリテン」の当面の焦点との認識を示し、TPPから離脱した米国が復帰に応じることへの期待も示した。
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