[6日 ロイター] – アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンは6日、抵抗勢力の支配地域として残っていた北東部パンジシール渓谷を完全に掌握したと表明した。アフガン全土は完全な支配下にあり、まもなく新政府を発表すると強調した。

ソーシャルメディア(SNS)には、タリバンのメンバーがパンジシール州知事庁舎の門の前に立つ写真が投稿されている。

タリバンのザビフラ・ムジャヒド報道官は記者会見で「敵対勢力の最後の拠点だったパンジシールを掌握した」と述べた。

これより先には「この勝利とこれまでの努力により、わが国は戦争の混乱から抜け出した。人々は全土で平和と自由の下、幸せに生活できる」とツイートしていた。

パンジシールの人々は、1996─2001年のタリバン支配時期に抵抗し戦いを展開。タリバンは、「差別的な行動」はとらないと強調している。報道官は「彼らは兄弟であり共に国の繁栄のために働く」と述べた。

反タリバン勢力、アフガニスタン民族抵抗戦線(NRFA)を率いるアフマド・マスード氏はツイッターで自身は安全とする一方、詳細は明らかにしていない。

報道官は、マスード氏と元副大統領のサレー氏はタジキスタンに逃亡したとの報告を受けていると述べた。

NRFAの対外担当責任者は、タリバンの勝利宣言は誤りで、抵抗勢力は戦いを続けていると述べた。

タリバンは各地を制圧した後8月15日に首都カブールを奪還。パンジシール渓谷は反タリバン勢力最後の拠点だった。

また報道官は、新政府の人事を巡るタリバン内部の対立を否定。新政権は近く発表されるとしたが具体的な日程は明らかにしなかった。