朝日新聞社は11、12日に全国世論調査(電話)を実施した。次の首相を事実上選ぶ自民党総裁選が17日に告示されるのを前に、新総裁にだれがふさわしいか聞いたところ、河野太郎行政改革相が33%と最多で、石破茂元幹事長が16%、岸田文雄前政調会長が14%、高市早苗前総務相が8%、野田聖子幹事長代行が3%だった。
総裁選への立候補を表明、あるいは検討している5氏の名前を挙げ、選んでもらった。「この中にはいない」と答えた人は20%だった。
支持政党別に見ると、自民支持層では河野氏が42%で、岸田氏19%、石破氏13%、高市氏12%、野田氏1%だった。無党派層では、河野氏28%、石破氏17%、岸田氏11%と続き、高市氏6%、野田氏5%だった。
次の首相に最も必要なものを4択で選んでもらったところ、「実行力」が圧倒的に多く、64%。「誠実さ」15%、「発信力」10%、「政治信条」7%の順だった。「実行力」を選んだ人のうち38%が河野氏を支持した。
次の首相は安倍晋三前首相や菅義偉首相の路線を引き継ぐ方がよいかどうか尋ねたところ、「引き継ぐ方がよい」は28%で、「引き継がない方がよい」の58%の方が多かった。
退陣することになる菅内閣の支持率は30%(前回8月調査は28%)と横ばいだった。ただし、政党支持率を見ると、自民は今回、37%(同32%)。昨年12月調査の38%に次ぐ水準まで回復し、立憲民主の5%(前回6%)との差を広げた。「仮に今、投票するとしたら」として聞いた衆院選比例区投票先は、自民は43%(同35%)。こちらも昨年11月の45%に次ぎ、立憲の11%(同15%)を引き離した。総裁選の動きが自民を押し上げ、立憲を埋没させたとみられる。
〈調査方法〉コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式で、11、12の両日に全国の有権者を対象に調査した。固定は有権者がいると判明した1042世帯から575人(回答率55%)、携帯は有権者につながった2027件のうち902人(同44%)、計1477人の有効回答を得た。