[東京/ソウル 15日 ロイター] – 日本政府や韓国軍によると、北朝鮮は15日、弾道ミサイルとみられるミサイル2発を発射した。海上保安庁によると、いずれも日本海の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられている。
海上保安庁がミサイル発射を伝えたのは日本時間午後0時38分と同43分。
菅義偉首相は記者団に対し、「弾道ミサイルと判断される」との認識を示した上で、「わが国と地域の平和と安全を脅かすもので言語道断だ」と強調。「国連安全保障理事会決議にも違反しており、厳重に抗議するとともに強く非難する」と述べた。
また、15日中に国家安全保障会議(NSC)を開く考えを示した。
韓国軍合同参謀本部(JCS)は「北朝鮮が内陸部から東海岸に向けて未確認の弾道ミサイル2発を発射した。韓国と米国の情報当局は詳細な分析を行っている」と声明を発表。韓国軍は監視レベルを引き上げ、米国と緊密に協力して万全の態勢を維持しているとした。
韓国大統領府によると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は弾道ミサイル発射実験について直ちに説明を受けた。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は13日、同国が長距離巡航ミサイルの発射実験を週末に実施し、成功したと伝えていた。
14日には日本、米国、韓国の北朝鮮問題を担当する高官が東京で北朝鮮のミサイル・核プログラムの抑制に向けた方策を話し合っていた。
中国の王毅外相は、先の巡航ミサイル発射実験について質問された際、全ての当事者が朝鮮半島の平和と安定の推進に向けて取り組むべきだと述べた。
記者団に「北朝鮮だけでなく、他国も軍事活動を行っている」と指摘し、「われわれ全てが対話再開を後押しする方法で努力すべきだ」と語った。
米軍は、15日のミサイル発射は米国および同盟国に差し迫った脅威を与えていないとの認識を示した。
米インド太平洋軍は声明で「今回の事象は米国の人・領土、同盟国に差し迫った脅威を与えていないと評価しているが、ミサイル発射は北朝鮮の違法な武器プログラムに起因する悪影響を鮮明にした」と述べた。