[ロンドン 21日 ロイター] – 欧州人権裁判所は21日、ロシア連邦保安局(FSB)の元スパイで、プーチン政権を批判していたアレクサンドル・リトビネンコ氏が2006年にロンドンで毒殺された事件について、ロシアが関与したとの判断を示した。
同氏はロンドンのホテルで緑茶を飲んだ数週間後に43歳で死亡。体内からは放射性物質「ポロニウム210」が検出された。
英政府はロシアが毒殺に関与したと非難。ロシアは関与を否定し、両国関係が悪化していた。
英政府は2016年、プーチン大統領が同氏の暗殺を承認した可能性が高いとの報告書を作成。FSBの前身であるソ連国家保安委員会(KGB)の元職員アンドレイ・ルゴボイ氏と、別のロシア人、ドミトリー・コフトン氏が、おそらくFSBの指示で暗殺を実行したとの見解を示した。両氏は関与を否定している。
欧州人権裁判所は「リトビネンコ氏暗殺事件の責任はロシアにあることが判明した」と表明。「珍しい毒薬の調達、2人の移動の手配、繰り返された毒殺未遂といった計画的で複雑な作戦は、リトビネンコ氏が作戦の標的だったことを示している」として、英政府の見解を支持した。