[シンガポール/上海 24日 ロイター] – 中国の不動産開発大手、中国恒大集団傘下で電気自動車(EV)の開発・生産を手掛ける中国恒大新能源汽車集団は24日、迅速な資金注入がなければ資金繰りが破綻すると警告した。同グループの他事業部門でも流動性危機が悪化していることが明らかになった。

中国恒大新能源汽車は、戦略的投資や資産の売却がなければ、従業員やサプライヤーへの支払い、および自動車の量産能力に影響が及ぶだろうと述べた。

23日はオフショア債の8350万ドルの利払い日だったが、支払いは行われず、同社はこの問題について沈黙を守っている。30日の猶予期間内に利払いが行われないとデフォルト(債務不履行)となる。投資家は、猶予期間終了時に多額の損失を被るのではないかと懸念している。

中国の中央銀行は24日、再度銀行システムに流動性を供給した。これは市場への支援のシグナルとみられている。しかし当局は恒大集団の資金繰り問題について口を閉ざしており、中国の国営メディアも救済策の手がかりを示していない。

プリンシパル・グローバル・インベスターズ(シンガポール)のアジア債券部門責任者、ハウ・チョン・ワン氏は「現段階では誰も大きなリスクを取りたがらないため、不気味な静寂が続いている」と述べた。