[5日 ロイター] – 格付け会社ムーディーズは5日、米国に対する現在の格付け見通しは、連邦債務上限が引き上げられ、同国がデフォルト(債務不履行)に陥ることはないとの予想に基づいているとの見解を示した。

ムーディーズの現在の米格付けは「Aaa」。格付け見通しは「安定的」。イエレン米財務長官はこれまでに、債務上限が引き上げられなければ、政府の資金は10月18日に枯渇すると警告している。

ムーディーズは「共和党が債務上限適用の停止、もしくは上限引き上げに強硬に反対していることを踏まえると、民主党はデフォルト回避に向け、財政調整措置(リコンシリエーション)を通して独自に対応すると予想している」とした。

ムーディーズによると、米政府は10月15日に約40億ドル、11月1日に140億ドル、11月15日に490億ドルの利払いが控えている。支払いが滞れば、デフォルトに陥ったと見なされる。

ムーディーズは「こうした事態に陥れば、Aaa格付けは不相応と見なし、全ての米財務省証券を格下げする公算が大きい」と指摘。ただ、米格付けプロファイルには、デフォルトに陥ったとしても短期的なもので、完全に回復するとの見通しが反映されているため、影響は限定されるとの見方を示した。