[ニューヨーク 15日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で は、ドルが主要通貨バスケットに対し小幅安。世界的にリスク選好の動 きが優勢となる中、ドルへの投資妙味が薄まった。週間でも6週間ぶり の下げとなる見通し。

 朝方発表された9月の米小売売上高は前月比0.7%増と、市場予 想の0.2%減に反し増加した。価格上昇を背景とした自動車販売店の 売上高拡大が寄与した。

BKアセット・マネジメントのFX戦略マネジングディレクター、 ボリス・シュロスバーグ氏は、リスク選好が強まり、「ポンドやユーロ 、豪ドルなどの上昇に寄与している」と指摘した。主要通貨に対するドル指数は、米小売統計発表後は強含んだものの、下げに転じ、終盤の取引では0.106%安の93.941。 先週までは5週連続で上昇していたものの、今週は週足で0.19%下 落した。

 バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテ ジスト、マーク・チャンドラー氏は、予想よりも早期の利上げ開始観測 を背景としたドル高は行き過ぎで、値固めの動きが出ている可能性があ ると指摘。「値固めの動きが単なる一服商状なのか、調整の前兆なのか 、来週に明らかになるだろう」と述べた。

  短期金先物市場では、ほぼ五分五分の確率で、米連邦準備理事会( FRB)が来年7月までに25ベーシスポイント(bp)の利上げに動 くと予想されている。

ポンド/ドルは0.57%高の1.3765ドルと、9月 17日以来の高値を付けた。ユーロ/ドルは0.03%安の1.1595ドル。リスク選好度の上昇を反映し、豪ドルは0.02%高の0 .7417米ドル。一時0.7439米ドルまで上昇した。ニュージー ランドドルも0.54%高の0.7068米ドル。

円の下げが目立ち、対ドルで一時2018年10月以来の安値とな る114.46円を付けた。終盤の取引で、ドル/円は0. 53%高の114.28円。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは上昇し、半年ぶ りに6万ドルを上抜けた。

ドル/円 NY終値 114.20/114.23
       始値 114.33
高値 114.46
安値 114.00

ユーロ/ドル NY終値 1.1600/1.1604
始値 1.1610
高値 1.1610
安値 1.1590