[ニューヨーク 18日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルがやや軟化した。当初は米連邦準備理事会(FRB)が利上げに近づいているとの観測を背景に上昇していたが、米国の9月の製造業生産指数が予想外に低下したことを受け、下げに転じた。
9月の鉱工業生産統計は、製造業生産指数が予想に反し0.7%低下。世界的な半導体不足が続く中、自動車生産が落ち込んだ。市場予想は0.1%上昇だった。
アクション・エコノミクスのグローバル外為分析部門マネジング・ディレクター、ロナルド・シンプソン氏は「世界の中央銀行がインフレ懸念に対応するために一段と積極的に対応するとの観測は、ドルの圧迫要因になるが、FRBがこれまでの予想よりも早い段階に動く可能性があるとの見方はドルの支援要因になる」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数は0.02%安の93.95。一時は米国債利回りの上昇に歩調を合わせ、94.17まで上昇していた。
ニュージーランドドルは一時0.7105米ドルと、1カ月ぶり高値を更新。終盤の取引では0.7081米ドル。ニュージーランド(NZ)統計局がこの日に発表した第3・四半期の消費者物価指数(CPI)は前期比2.2%上昇し、約11年ぶりの高い伸びとなった。住宅関連費用や供給の制約が主因だった。
英ポンドは対ユーロで1年8カ月ぶり高値を更新。イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は17日、インフレリスクの高まりに対して躊躇(ちゅうちょ)なく利上げする考えを改めて示唆した。
ユーロは0.11%高の1.1610ドル。一時は1.1570ドルまで下落した。年初からの下落率は5%。
円は対ドルで0.01%安の114.27円。先週15日に付けた2018年10月以来の安値(114.46円)に迫った。
バンク・オブ・アメリカのアナリストは、ノルウェークローネ、カナダドル、豪ドルなどの資源国通貨はエネルギー価格の上昇を受け、夏以降は極めて好調だった一方、ユーロと円は低迷しているとしている。
ドル/円 NY終値 114.31/114.34
始値 114.33
高値 114.39
安値 114.13
ユーロ/ドル NY終値 1.1609/1.1613
始値 1.1590
高値 1.1622
安値 1.1588