【北京時事】新型コロナウイルスの感染者を1人も見逃さない「ゼロ・コロナ」政策を続ける中国で、感染力の強いデルタ株が再び広がっている。中国政府は24日の記者会見で、17日から23日までの1週間に11省・直轄市・自治区の133人の感染を確認したことを明らかにし、「さらに拡大するリスクがある」と警戒を呼び掛けた。
中でも危機感を強めているのは、来年2月に冬季五輪を控える首都・北京市。19日に約70日ぶりとなる市中感染者を確認し、感染者は24日午後までに18人に増えた。市は24日の対策会議で、31日に2年ぶりに開催する予定だった北京マラソンの延期を決めた。
今回の流行は、陝西省を旅行で訪れていた上海市の高齢者夫婦の感染確認が始まり。秋の観光シーズンと重なったため、内モンゴル自治区や甘粛省などを訪れていた旅行者を中心に感染が全国に広がった。
中国では人口の約75%に当たる10億人余りがワクチン接種を完了した。ただ、今年の早い段階に接種した人を中心に抗体レベルの低下が懸念されており、今月から感染リスクの高い人を対象に追加接種が始まっている。