米ゼネラル・エレクトリック(GE)は、ヘルスケア、電力、航空の3事業別に分社化する。コングロマリットとしての同社の歴史に終止符が打たれる。
9日のGE発表によると、ヘルスケア事業は2023年序盤にスピンオフする。また再生可能エネルギー、電力設備、デジタル事業を別の部門に統合し、こちらは24年にスピンオフする計画。エンジン製造事業のGEアビエーションが残ることになる。
この決定は、ラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)が2018年に同社トップに就いて以来、最も大規模かつ重要な変化となる。
カルプ氏はインタビューで「われわれが行っているのは、ヘルスケア、航空、エネルギーの各分野で3つの優れた投資適格企業を生み出すことだ」と説明。「GEは長い間、これらの市場を率いてきた。これからは次の世紀のリーダーシップに向けて踏み出す」と述べた。
同社は分社化計画にからみ、一時費用20億ドル(約2300億円)と5億ドル未満の税金支払いが発生すると見込んでいる。
時代の終わり
GEの分社化により、20世紀のコーポレート・アメリカを特徴付けていたコングロマリットの時代は終わりを迎えることになる。投資家は多面的に事業展開する企業よりも焦点を絞った企業を選好するようになり、他の大規模な多角的企業もこれまでに複数が分社化を選択してきた。
20年前、GEは時価総額で世界最大の企業だった。5年前にはまだ上位10社に残っていたが、8日終値時点でS&P500種株価指数構成企業には時価総額でGEを上回る企業が数十社もある。
カルプCEOは「長期的な価値を創造するため、これが最善の方法であることに疑いはない」と語った。
分社化の発表を受け、GE株はこの日の寄り付き前の時間外取引で一時17%上昇した。
原題:GE Will Split Into Three Units, Ending Conglomerate for Good (2)、
GE Will Split Into Three Units, Ending Conglomerate for Good (1)(抜粋)