[フランクフルト 19日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は19日、インフレ率はいずれ鈍化すると述べ、ECBは政策を引き締めるべきではないと主張した。

総裁は「現在のように、インフレ圧力が後退する見込みである時に、政策を引き締めるのは理にかなっていない」と指摘。

家計がエネルギーコスト高騰というショックに直面していることに触れ「こうした状況下で金融政策を引き締めれば、経済を縮小させる」との見方を示した。

「引き締めが経済に影響を及ぼすのは、既にショックが過ぎた後になる」とも述べた。

ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を来年3月に終了することを示唆しているが、ラガルド氏は、その後も資産買い入れは依然として「重要」になると指摘。

「予想されるパンデミック緊急(プログラム)終了後も、資産買い入れの適切な調整を含め、金融政策が(景気)回復とインフレ率の2%目標への持続的回帰を支援することが重要になる」と述べた。

インフレ見通しについては、10年にわたる低迷の後、改善しているとの認識を示す一方、ECBは需要を「育てる」必要があると主張。

「経済におけるポジティブな需要の力が強まるにつれ、中期的なインフレ見通しはパンデミック前より改善している」とし、「政策支援を早急に引き揚げることなく、これらの力を引き続き育てる必要がある」との考えを示した。