U.S. President Joe Biden in the Rose Garden of the White House, Nov. 19, 2021. Photographer: Al Drago/Bloomberg

バイデン米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に誰を指名するのか、いよいよ今週はっきりしそうです。上院での承認が比較的スムーズに行きそうな現職のパウエル氏を選ぶのか、それともブレイナード理事を指名して党内の進歩派に配慮し、党の結束を優先するのか。前者はインフレ対策で後手に回る可能性、後者は民主党とのつながりが明白で政治的な独立性について不安が指摘されています。いずれの人選も来年の中間選挙にじわりと効いてくる可能性があるため、バイデン氏は慎重な判断を求められています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

侵攻の準備か

ロシア軍がウクライナ国境近くで兵員と砲兵隊を増強していることを示す地図を含む情報を、米国は欧州の同盟国と共有した。プーチン大統領が決断を下せば、複数の箇所からウクライナに急速に大規模な侵攻を行う準備をするためとみられている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ロシアによるウクライナ侵攻を阻止するため、欧州首脳がプーチン氏に直接働き掛けるなど外交努力が行われている。プーチン氏が来年の早い時期にも侵攻を検討しているとの米国の分析情報を得ているという。

新たな疑惑

クレディ・スイス・グループの元バンカーらは、米国人顧客による口座隠しの支援を同行がなおも続けていると捜査当局に証言した。同行が2014年に罰金26億ドルを支払い、そうした脱税ほう助行為をやめると約束した後も継続していたという。同行は今年、アルケゴス・キャピタル・マネジメントとグリーンシル・キャピタルに絡む不祥事で大揺れとなっていた。クレディ・スイスは「2014年の和解後、当行は米当局に全面的に協力しており、今後もそうする」との声明を出した。米司法省は数週間前、法律違反を繰り返す企業を厳しく取り締まると言明していた。

準スタグフレーション

中国人民銀行(中央銀行)貨幣政策委員会の劉世錦委員は、同国経済は相対的に低い成長率と過度に高い生産者物価の上昇を伴う「準スタグフレーション」局面に入る可能性があると指摘した。その状況にいったん陥れば来年も続くことになるため、細心の注意が必要だと呼び掛けた。また、中国の経済成長は9月以降に顕著に減速しており、現在の状況から判断すると10-12月(第4四半期)は「4%を下回る公算が非常に大きい」とも語った。

無事

消息が不明となっていた中国の女子プロテニス選手、彭帥さんは国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長とオンラインで30分ほど面談し、無事でいることを会長に伝えた。IOCが21日に声明を発表した。面談が発表される半日ほど前、彭さんがレストランで食事している様子や、子供のテニス大会に参加している様子を伝える動画が中国の国営メディアやコメンテーターによってインターネット上で拡散されていた。IOCの声明は、「無事で健康上の問題もなく、北京の自宅で暮らしているとの説明があった。今はプライバシーを尊重してほしいとのことだ」と彭さんとの面談について説明した。

6年ぶり高値

中国人民元の取引に関わる主要金融機関で構成する中国外国為替市場指導委員会(CFEC)は、投機的な人民元取引を制限するよう各行に促した。人民元相場が6年ぶり高値を付けたことを受けた措置。中国人民銀行(中央銀行)の指導で創設された同委員会は、自己勘定と顧客勘定の両取引においてリスクをニュートラルにするよう促した。事情に詳しい関係者複数による情報で明らかになった。

自由の身

トランプ前米大統領を顧問弁護士として支え「フィクサー」の異名をとったマイケル・コーエン受刑者が、22日に3年の刑期を終えて自由の身となる。服役中の時間をトランプ氏を攻撃する著書やポッドキャストに費やしてきた同受刑者は、完全に自由の身となってこれまで以上に活動の機会を増やす意向だ。トランプ氏とそのビジネスに対しては刑事と民事の両方で検察当局の捜査が進められており、コーエン受刑者は複数にわたって聴取を受けた。「ドナルド・トランプにはすべての悪事と犯罪に対して責任をとらせるべきだ」と同受刑者はインタビューで述べた。

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