「尊厳と敬意」。外国人に投票権を認める必要性について、ニューヨーク市議会のロドリゲス議員はこう説明しました。滞在期間がどんなに長くても米国市民にならない限り、外国人は米国の選挙には参加できません。この状況に突破口を開きそうなのが、ニューヨーク市長選などでの投票権を一部の外国人に付与する法案。この日採決にかけられるこの法律が成立し、全米でも同様の動きが広がれば、いつか大統領選挙に一票を投じる日が来るかもしれないと、期待は広がります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
Dデー
中国の不動産開発会社、中国恒大集団は流動性危機の中で初めてドル建て債でデフォルト(債務不履行)に陥った。6日に猶予期間が終了したドル建て債の利払い不履行によって、フィッチ・レーティングスが長期発行体デフォルト格付けを「一部債務不履行(RD)」に引き下げた。フィッチは恒大と同業の佳兆業集団の格付けもRDに引き下げた。許家印会長が25年前から築いてきた不動産帝国の崩壊と、投資資金の回収に向けた債権者の闘いが始まったことを意味する。中国人民銀行(中央銀行)は6日に預金準備率引き下げを発表し、市場は一定の冷静さを維持している。
歴史の記憶
ウクライナ国境でのロシア軍集結について北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一部がロシアと協議するという米国の提案に対し、東欧諸国が猛反発。ある国は激怒しており、バイデン米大統領の計画の詳細な説明を求めている。かつてソ連に支配され今も対ロシアで最前線に位置する東欧諸国は、ロシアに対する政治的保証や、NATOの移動の自由や行動力を抑制することにならないかという点を懸念しているという。エストニアのカラス首相は記者会見で、「NATO加盟の是非についてロシアに発言機会を与えるのは、いかなる場合もあってはならない」と断言した。
人民元高を抑制
中国人民銀行は外貨預金準備率を2ポイント引き上げると発表した。引き上げは今年2回目。人民元が2018年以来の高値に上昇したことが背景にある。外貨預金準備率は15日から9%と、これまでの7%から引き上げられる。中銀はこの日、人民元の中心レートを市場予想より元安方向に設定し、元高進行への不満を示していた。引き上げは金融機関の外貨流動性管理を高めるためだと人民銀は説明。国内市場のドルや他通貨の供給を事実上削減する動きで、人民元への下押し圧力になる。
1969年
先週の米新規失業保険申請件数はエコノミスト予想を下回り、1969年以来、52年ぶりの低水準に減少。季節調整の難しさが浮き彫りになった。季節調整前では先週の申請件数は約6万4000件増加。カリフォルニアとテキサス、ニューヨークを中心に大半の州が増加を報告した。オフィス復帰の動きに加え、企業が強い需要に対応するため人材確保に努めていることから、申請件数は年初から減少傾向にある。ただ物価上昇とコロナ禍で、企業活動と雇用のペースは複雑化している。
投資禁止リスト
中国の人工知能(AI)企業大手、商湯科技(センスタイム・グループ)が人権侵害を可能にしているとして、米国は10日に同社を投資禁止対象に加える方針だ。事情に詳しい関係者が明らかにした。センスタイムは同日に香港での新規株式公開(IPO)価格が決まる見通し。米国は中国軍部と関係がある企業への投資を禁止しているが、センスタイムはこの対象に加えられるという。同社はすでに米商務省が作成する「エンティティー・リスト」に入っており、主要な米国のサプライヤーや技術へのアクセスが禁じられている。センスタイムにはソフトバンクグループが出資している。
その他の注目ニュース
日銀の資金繰り支援策、CP・社債買い入れ縮小の可能性-関係者 (1)
バイデン氏、11月CPIに最近のエネルギー安は反映されない
投資家優先で年初来177%高、S&P500種トップ銘柄デボン・エナジー