中国の不動産開発会社、中国恒大集団は流動性危機の中で初めて、ドル建て債でデフォルト(債務不履行)に陥った。
今月6日に猶予期間を終了したドル建て債の利払い不履行によって、フィッチ・レーティングスが長期発行体デフォルト格付けを「一部債務不履行(RD)」に引き下げた。同社は恒大と同業の佳兆業集団の同格付けもRDと、これまでの「C」から引き下げた。
許家印会長が25年前から築き上げてきた不動産帝国の崩壊が始まったほか、債権者には投資資金回収に向けた闘いの開始も意味する。中国政府も不動産セクターの債務危機が経済全体に広がることを防ぐ課題に直面する。中国人民銀行(中央銀行)は6日に預金準備率引き下げを発表し、市場は一定の冷静さを維持している。
6月時点で総額3000億ドル(約34兆円)以上の負債があることを開示した中国恒大は、3日の取引所への届け出で、オフショア債権者と再編計画について「積極的」に協議する計画だとしていた。公募および私募の全てのオフショア債を再編計画に含める計画だと事情に詳しい関係者が述べていた。
中国恒大、債務再編に全てのオフショア債を含める計画-関係者
192億ドルのドル建て債保有者は大幅な債務減免要請に見舞われそうだ。このプロセスは長期間を要し、中国経済へのリスクともなり得る。
中国恒大のドル建て債の一部は額面1ドルに対して約20セントと、ディストレスト債の水準で取引されている。債権者にとっては同社が住宅販売と資産処分を加速できるかどうかが鍵になる。
中国恒大会長、資金確保に向けた迅速な資産売却に抵抗-英紙FT
当局も介入しており、中国恒大が本拠を置く広東省の政府は先週、再編計画について債権者と協議するとの同社発表後に許会長を呼んで説明を求めている。
当局はリスク管理と内部コントロール強化、通常業務継続を求め作業グループを送り込む計画。6日の発表によれば、リスク管理委員会の過半数を政府系の代表者が占める。
中国恒大、デフォルトは不可避の様相-中国最大の債務再編へ
原題:Evergrande Defaults for First Time as China Debt Strains Spread(抜粋)