【ワシントン時事】米航空宇宙局(NASA)は米東部時間25日午前7時20分(日本時間同午後9時20分)、老朽化したハッブル宇宙望遠鏡の後継となる「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」を、南米のフランス領ギアナの宇宙センターからアリアン5ロケットで打ち上げた。

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 1990年に打ち上げられ、約30年にわたり宇宙の謎解明に取り組んできたハッブルに代わり、地球から約150万キロ離れた目標地点に到達後、宇宙誕生後にできた最初の銀河や、太陽系以外に生命の存在を可能にする環境があるかなどの観測を始める。

 打ち上げの約27分後、JWSTは高度約1400キロでロケットからの分離に成功し、目標地点へと向かう軌道に入った。分離成功を受け、NASAのネルソン長官は「JWSTが何を解明するのか楽しみだ」と語った。

 JWSTは直径6.5メートルの主鏡と、テニスコートほどの大きさで太陽の光と熱を遮る遮光板などで構成。主鏡はハッブルの2.4メートルの倍以上の大きさで赤外線を観測し、ハッブルでは解明できなかった135億年前にさかのぼる初期の宇宙の様子などを探ることが期待されている。

 目標地点までは約1カ月かけて到達する予定。主鏡や遮光板などを展開し、テスト期間も含めて観測を準備するのに約6カ月かかる見通し。最初の観測は早くても来年夏ごろになりそうだ。