A 5G cell tower in Orem, Utah, U.S., on Tuesday, Jan. 11, 2022. 
A 5G cell tower in Orem, Utah, U.S., on Tuesday, Jan. 11, 2022. Photographer: George Frey/Bloomberg

米国内で19日から第5世代(5G)移動通信ネットワークの新サービスを開始する同国通信サービス大手AT&Tとベライゾン・コミュニケーションズは米政府当局者との土壇場の協議で、国内の一部空港周辺の基地局稼働を当面延期することで合意した。航空便の混乱を回避するための措置。航空会社は新5Gサービスが航空機の電波高度計に干渉する恐れがあるとして延期を求めていた。

米航空会社、当局に新5Gサービス延期要請-壊滅的混乱の恐れと警告  

  バイデン大統領は18日の声明で合意を称賛。「この合意により、旅客・貨物輸送、ひいては米経済の回復が壊滅的な混乱に見舞われるリスクは回避される一方で、90%の無線基地局は予定通り稼働する」とした上で、協議は「残る溝を埋め、主要空港を巡り恒久的で実行可能な解決策に到達するまで」続けられるとコメントした。

  公の場で話す立場にないとして事情に詳しい関係者が匿名で明らかにしたところでは、AT&Tとベライゾンは空港周辺の5G・Cバンド緩衝地帯拡大で合意した。両社とも空港周辺でのサービスを自主的に制限すると18日に表明した。

  米主要航空会社が参加する業界団体エアラインズ・フォー・アメリカ(AFA)は17日、航空路から2マイル(約3.2キロメートル)以内で新たにCバンド周波数帯が使用された場合、旅客・貨物輸送は「壊滅的な混乱」に見舞われる可能性があると警告。5Gネットワークの新サービス実施の延期を求めていた。

原題:AT&T, Verizon to Delay 5G Near Some Airports to Ease Flight Woes
U.S. FAA, Wireless Companies Negotiating Possible 5G Agreement(抜粋)