[ニューヨーク 19日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米国債利回りの低下に連動してドルが弱含んだ。ただ米連邦準備理事会(FRB)が3月にも利上げに踏み切るとの観測の中、ドルは引き続き底堅く推移している。

米10年債利回りはこの日の取引で一時1.902%と2年ぶりの高水準を付けたものの、終盤の取引では1.8271%と、4ベーシスポイント(bp)低下した。

英国立統計局(ONS)がこの日に発表した2021年12月の消費者物価指数(CPI)は前年比5.4%上昇で約30年ぶりの大幅上昇となった。イングランド銀行(英中央銀行)の来月の追加利上げを後押しする可能性がある。

マネックスUSA(ワシントン)のシニア外為トレーダー兼ストラテジスト、フアン・ペレス氏は「各国中央銀行は、物価上昇ペースが昨年第4・四半期に必ずしも減速しなかったとの証拠に直面している」と指摘。FRBは25─26日の連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和(QE)の終了に関する詳細を提示し、QE終了直後と予想される3月にも利上げに着手する姿勢を示す可能性がある。

フェデラル・ファンド(FF)金利は3月に利上げが実施される確率、および年内に合計4回の利上げが実施される確率が共に100%であることを示す水準にある。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.2%安の95.528。

米商務省が朝方発表した21年12月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.4%増の170万2000戸と市場予想(165万件)に反し増加し、昨年3月以来9カ月ぶりの高水準となった。これを受け、ドルは下げ幅を縮小する場面もあった。

ユーロは対ドルで0.2%高の1.1348ドル。ドイツ10年債利回りが19年以降で初めてプラス圏に一時浮上したことが支援要因になった。

ただ対英ポンドでは一時1年11カ月ぶりの安値を付けた。

英ポンドは対ドルで0.2%高の1.3624ドル。英2年債利回りが0.958%と、18年3月以来の高水準を付けたことも支援要因になった。

カナダドルは対米ドルで0.2%高。カナダ統計局が発表した12月の消費者物価指数(CPI)は前年比4.8%上昇と、30年ぶりの高い伸びを記録した。