【北京、モスクワ時事】中国の習近平国家主席は4日、北京冬季五輪の開会式に先立ち、北京の釣魚台迎賓館で五輪に合わせて訪中したロシアのプーチン大統領と会談した。両首脳は会談後に共同声明を発表し、対米共闘姿勢を誇示する見通し。

 インタファクス通信によると、プーチン氏は会談冒頭、中ロ関係について「前向きに発展し、前例のない性格となっている」と評価した。

 ロシアは北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指す隣国ウクライナに軍事圧力をかけ、米欧にNATO不拡大などを要求し、情勢は緊迫している。ロシアは中国と連携して米欧を揺さぶり、自国に有利な条件を引き出したい考えだ。

 北京五輪をめぐり、米国と同盟国は中国の人権侵害などを理由に政府代表を派遣しない「外交ボイコット」を展開。3日の新華社通信によると、プーチン氏は寄稿で「スポーツの政治問題化は根本的に誤りだ」と述べ、中国側に寄り添った。

 新型コロナウイルスの世界的感染拡大で外遊を控える習氏とプーチン氏の対面式会談は2019年11月、ブラジルで行われて以来。14年のロシア・ソチ冬季五輪でも外交ボイコットの動きが広がる中、習氏は開会式に出席しており、プーチン氏の訪中には返礼の意味も込められている。

 両首脳はマスクをせず記念撮影に納まり、親しさをアピールした。習氏は今年1月、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と会談した際、互いにマスク姿で記念撮影していた。