[北京 9日 ロイター] – 北京冬季五輪のフィギュアスケート団体でロシア・オリンピック委員会(ROC)の金メダル獲得に貢献したカミラ・ワリエワ(15)のドーピング疑惑について、ロシアメディアは検出された禁止薬物は心筋梗塞などの治療に使用される「トリメタジジン」だと報じた。

ロシアのスポーツチャンネル「マッチTV」記者のバシリー・コノフ氏は、情報源を明らかにせず、「トリメタジジンはアスリートに何の役にも立たない。12月に1つのサンプルから微量が検出された。それ以前もその後も検出されなかった」とソーシャルメディアに書き込んだ。

トリメタジジンは心臓への血流を増加させ、血圧の急激な変動を抑制する作用がある。米国では使用が認められていない。世界反ドーピング機関(WADA)は2014年に禁止薬物リストに指定した。

米ノースウエスタン大学医学部の循環器内科医、サディヤ・カーン助教授は、トリメタジジンを健康な人に使用すれば、理論的には通常のレベル以上に血流を促進できるかもしれないと指摘。

「血流を促進することで心臓が通常以上に反応し、より長く運動したり、より効率的に運動する能力を増進できる可能性がある」と話した。

しかし、どんな薬物でも意図されない方法で使用するとマイナスの副作用が起きる恐れがあり「非常に危険なことだと思う」と懸念。パフォーマンスを向上させる効果があるかも明確ではなく「それが違いを生むはっきりした証拠はない」と述べた。