Sarah Bloom Raskin, Federal Reserve supervision vice chair nominee for U.S. President Joe Biden, speaks during a Senate Banking, Housing, and Urban Affairs Committee confirmation hearing in Washington, D.C., U.S., on Thursday, Feb. 3, 2022. Photographer: Ken Cedeno/Reuters

バイデン米大統領が指名した米連邦準備制度理事会(FRB)要職5候補の承認プロセスは、15日に障害にぶつかった。米上院銀行委員会の共和党筆頭理事を務めるトゥーミー議員は、この日に予定されていた委員会採決を事実上阻止。FRB銀行監督担当副議長候補であるサラ・ブルーム・ラスキン氏の承認を立ち往生させる狙いだ。

  トゥーミー氏は「われわれは回答を求めている」と説明。「基本的な問題に適切な対応があるまでは、委員会はラスキン氏についての採決を見合わせるべきだと考える」と述べた。

  トゥーミー氏はこの採決に共和党議員を参加させない方向で検討していたと、事情を知る関係者らは先に明らかにしていた。共和党の話し合いに詳しい関係者2人によると、同党としてはラスキン氏の指名承認採決と切り離す形で、その他候補者の指名承認を先に進めることを民主党に承諾させたいと考えている。

  共和党議員らが問題視しているのは、ラスキン氏がフィンテック企業リザーブ・トラストの取締役を務めている間に、連邦決済システムへのアクセスを可能にするマスターアカウントを同社が取得していたことだ。気候変動が金融に及ぼすリスクの低減についても、トゥーミー議員はラスキン氏の発言を批判している。

  トゥーミー氏は記者団に対し、ラスキン氏に「基本的な質問を行ったが、これまで回答を拒んでいる」と述べ、「候補者が回答を拒むのは問題だ」と指摘した。

  委員会が定足数に達しなければ、ラスキン氏だけでなく、大統領が先に再任を発表したパウエルFRB議長、FRB副議長に指名したブレイナード理事、理事に指名したリサ・クック、フィリップ・ジェファーソン両氏の指名承認も遅れる。共和党議員からはこれまでにクック氏に対しても批判の声が上がっている。

  ラスキン氏はリザーブ・トラストのマスターアカウント取得に力添えしたかどうかは記憶していないと、委員会に文書で回答している。FRB退任後は少なくとも4年間、金融サービスの職に就かないといった厳格な倫理基準にも賛成した。

原題:GOP Moves to Stall Raskin by Blocking Votes on Fed Picks (1)(抜粋)