【ベルリン時事】先進7カ国(G7)は19日、緊迫するウクライナ情勢をめぐり、ドイツ南部ミュンヘンで緊急の外相会合を開いた。G7は終了後に発表した共同声明で、ロシアによるウクライナへの軍事的圧力は「国際秩序への挑戦」であり、ウクライナに侵攻した場合には金融・経済制裁を含めた「甚大な結果」を招くと警告した。
共同声明は、ウクライナ国境などでのロシア軍部隊集結についてG7は「重大な懸念」を有していると指摘。「欧州大陸で冷戦終結以降最大の配備であり、世界の安全保障および国際秩序への挑戦だ」と強く批判し、ロシアが発表したウクライナ国境からの部隊撤収も「証拠は何も目にしていない」と断定した。
その上で、ウクライナ情勢の「平和的・外交的解決」を目指す方針を表明。一方で、ロシアがウクライナに侵攻すれば、「幅広い部門・個人を対象とした金融・経済制裁を含めた甚大な結果」を招き、ロシア経済は「前例のない代償」を払うことになると警告した。
ウクライナ東部で親ロ派武装勢力がウクライナ政府軍から砲撃を受けたなどと主張していることについては、「軍事的緊張の増大の土台づくり」であり、偽装工作により侵攻の口実に使われかねないと憂慮を示した。
外相会合は、18~20日のミュンヘン安全保障会議に合わせて開催された。日本から林芳正外相が参加。ウクライナのクレバ外相も出席した。