[モスクワ/アンカラ 24日 ロイター] – ウクライナ大統領首席補佐官顧問は、ウクライナ軍が港湾での業務を全て停止したことを明らかにした。国外への穀物輸送の停滞が懸念されている。
ロシアは24日、陸海からのウクライナへの侵攻を開始した。
欧州の穀物トレーダーは、まだ軍事侵攻の詳細が明らかになっていないとし、「これまでの海運業者の報告によるとアゾフ海と黒海の港湾の損害はでていない」と指摘。「荷積みの滞りや契約が履行できないなどによる不可抗力条項を適用するかが次の段階だ」と述べた。
海運大手APモラー・マースクは24日、2月末までウクライナでの寄港を全て停止したほか、ウクライナ南部オデッサの主要事務所を閉鎖したと発表した。
またトルコの海事当局は、トルコの船舶が24日、オデッサの沖合で砲撃を受けたと発表。ただ死傷者はなく、船舶は安全だという。
ロシアは世界最大の小麦輸出国で、主に黒海の港から出荷している。
アゾフ海でのウクライナの最重要港はマリウポル。
アゾフ海からは主に小麦、大麦、トウモロコシを地中海諸国に輸出している。
これに先立ちロシアは、アゾフ海における商船の運航停止を命じた。黒海の港湾は、運航指示のため活動を維持している。当局関係者と穀物業者筋5人が24日明らかにした。
穀物業者筋は「すべての船が(アゾフ海で)止まっている」と述べた。
シカゴ市場の小麦先物は、9年半ぶりの高水準に上昇した。
ロシアとウクライナは世界の小麦輸出の29%、トウモロコシ供給の19%、ヒマワリ油輸出の80%を占めている。