【ロンドン時事】1日の欧州市場で「ロシア売り」が再び加速した。外国為替市場では、ロシア通貨ルーブルが対ドルで一時、前日比約14%安と急落。株式市場ではロシア市場とつながりの深い企業を中心に株価が大きく値下がりし、主要国の株価指数を押し下げた。

 ルーブルは2月28日に一時約30%暴落し、史上最安値を更新したばかり。ロシア中央銀行が通貨防衛目的で大幅利上げに踏み切ったことなどから、いったんは落ち着いた。しかし、1日は再び売りを浴び、一時1ドル=117ルーブル前後まで値を下げた。

 欧州通貨ユーロも売られ、2020年6月以来、約1年9カ月ぶりに対ドルで一時1ユーロ=1.11ドルの節目を割り込んだ。

 欧米政府の追加制裁に加え、民間企業のロシア市場撤退の動きも相次いだ。欧州の金融商品取引の決済機関がルーブルの取り扱い停止を発表するなど、経済の混乱拡大に懸念が広がっている。

 欧州株式市場では、ドイツとフランスの株価指数がそれぞれ前日比3.9%安と急落。イタリアも4.1%安、英国は1.7%安となった。