[ワシントン 8日 ロイター] – バイデン米大統領は8日、ロシア産の原油や天然ガス、石炭の輸入を禁止すると表明した。ウクライナに侵攻したロシアに対する圧力を高める。

バイデン大統領は「ロシア産の原油やガスの輸入を全面的に禁止する」とし、「米国民はプーチン大統領の戦争マシンに対し新たな力強い打撃を与える」と述べた。

関係筋の情報では、今回の禁輸措置には原子力発電所向けのウランは含まれない。

米政権高官によると、禁輸措置は即時発効する。すでに成立している契約については、45日間の解除期間を設ける。

バイデン大統領は、禁輸措置は同盟国と協議した上で決定したと説明。多くの同盟国が米国に同調できなかったとしても理解できるとした。

ジョンソン英首相も8日、ロシアからの原油と石油製品の輸入を段階的に削減し、2022年末までに完全に停止すると発表した。

バイデン大統領はまた、禁輸措置で米国も代償を払うことになるという認識を示し、「プーチン氏の戦争が引き起こしているガソリン価格高の影響を最小限にとどめるためにあらゆる措置を講じる」と言明した。

バイデン大統領が署名する大統領令の下、ロシアのエネルギー生産に投資する外国企業に対する米国人による出資や、ロシアのエネルギー部門への新規投資も禁止される見通し。

米民主党のホイヤー下院院内総務は、早ければ8日中に下院でロシア産原油などの輸入を禁止する法案の採決を実施すると述べた。

バイデン大統領の禁輸措置発表を受け、北海ブレント原油先物は約5.4%上昇した。

OANDAのシニアマーケットアナリスト、クレッグ・アーラム氏は米国の禁輸措置について「報復措置や、他国が米国の動きに追随する可能性から、原油価格上昇につながっている」と指摘。同時に「米国の輸入量はさほど大規模でなく、長期的な影響は限定的となる見通し」という見方を示した。