ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、欧米各国がロシアからの航空便の受け入れを停止する中、ロシア人たちが陸路で、隣国のフィンランドに次々と出国しています。

フィンランドの首都、ヘルシンキの中央駅には、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクからの長距離列車「アレグロ号」が、1日2回到着しています。

この路線を運営する鉄道会社によりますと、今月に入ってからロシア人の利用客が大幅に増え、定員およそ350人の列車はほぼ満席の状況が続いているということです。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が影響しているとみていて、今後、列車を増便する計画だとしています。

ロシア人の利用客のうち、デザイン関係の仕事をしているという男性は「出国が難しくなったり、不可能になったりするリスクがあるので、出国を早めた」と話していました。

海外で暮らしていて去年12月からロシア国内の家族のもとを訪れていたという男性は「来月まで滞在する予定だったが、さまざまなデジタルサービスが停止し、銀行のカードも使えなくなった。インターネットがつながらなくなると仕事もできなくなるので、出国することにした」と話していました。

エネルギー関連のビジネスに携わっているという女性は「欧米による制裁が強化される中、このままではビジネスが成り立たないため、トルコに行って仕事を続けようと考えている」と話していました。

一方で、ロシア人の利用客からは、今後世界でロシア人が差別されるのではないかという不安の声が聞かれたほか、ロシア政府による言論統制が強まっている中で、取材を拒む人も目立ちました。