[リビウ(ウクライナ) 15日 ロイター] – ウクライナのベレシュチュク副首相は15日、ロシア軍が包囲する南東部マリウポリへの物資輸送がロシア側によって阻止されたと非難した。

ベレシュチュク副首相は、数百万人の住民が自動車でマリウポリから2日連続で退避することができているが、ロシアの砲撃が続いているため、マリウポリに向かった人道支援物資を積んだ車両がマリウポリ近くのベルジャンシクで立ち往生していると指摘。「ウクライナ側は完全な停戦を確保しているが、ロシア側はいつもどおり冷ややかにうそをついている」と述べた。

マリウポリ周辺の状況についてロシア側は現時点でコメントしていない。

マリウポリ市議会によると、約300人の住民が15日午前10時(日本時間午後5時)までにマリウポリからおよそ225キロ離れたザポロジエに到着したほか、15日午後までに約2000台の車両がマリウポリを出発し、さらに2000台が出発待ちだという。

ベレシュチュク副首相によると、マリウポリの住民の大半は自動車を保有しておらず、退避にはバスなどが連なってマリウポリに到着する必要があるという。

ウクライナ当局によると、マリウポリの住民はここ2週間の大半で暖房、電気、水道が使えない状態になっており、公式推計では少なくとも20万人が緊急避難を必要としているという。

ベレシュチュク副首相はまた、ロシア軍に包囲された地域から民間人を退避させるため、15日に9つの人道回廊を設定する計画を明らかにした。

ウクライナ北部リウネ州のコバル知事は、14日の同州のテレビ塔への空爆による死者が少なくとも19人に達したことを明らかにした。