Volodymyr Zelenskiy, Ukraine’s president, addressing members of Congress virtually at the U.S. Capitol in Washington, D.C., U.S., on Wednesday, March 16, 2022. Photographer: J. Scott Applewhite/AP Photo

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の最近のタカ派的発言をウオッチャーらは深読みしようとしてきたが、これで結論は出た-。ブルームバーグ・エコノミクスがこう分析しました。16日の連邦公開市場委員会(FOMC)後に示されたドット・プロット(金利予測分布図)中央値は、FOMCが今回の会合分を含め年内7回の利上げを行うとのシグナルを発出。ウクライナ情勢などの世界的リスクが経済成長に及ぼす影響への懸念より物価安定が優先されていることが明確になったとしています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

年末の金利は約1.9%

FOMCは15、16両日に開催した定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げ、0.25-0.5%とすることを賛成8、反対1で決定した。利上げは2018年以来となる。反対したのはセントルイス連銀のブラード総裁で、0.5ポイントの利上げを主張した。ドット・プロットでは、中央値で22年末の金利を約1.9%と予測。市場の予想と一致したが、前回の予測を上回った。23年については約2.8%への上昇を予想。今回の予測での最終年となる24年は2.8%との見通しが示された。

中立化で「妥協も」とロシア

ウクライナのゼレンスキー大統領は米連邦議会でオンライン形式で演説し、ロシアの侵攻阻止に向け一段の支援を訴えた。バイデン大統領はその数時間後、ウクライナに兵器を追加提供すると約束した。ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ウクライナが自国の軍隊を保持する中立国になるという提案は「ある種の妥協点と見なすことができる」と述べた。世界保健機関(WHO)はロシア侵攻以来、ウクライナの医療施設に計43回の攻撃があったことを確認した。

ガソリン高が損なう

2月の米小売売上高は前月比0.3%増と、大きく増加した前月から伸びが鈍化(予想中央値は0.4%増)。インフレで購買力が制限される中、一部項目で消費者が支出を抑えたことを示唆している。最も伸びたのはガソリンで5.3%増。ガソリンスタンドを除く小売売上高は0.2%減だった。1月は4.9%増(速報値3.8%増)に上方修正された。

拡大見送り

中国は今年、不動産税の試験導入を拡大しない方針だ。住宅市場の低迷に加え、新型コロナウイルス感染拡大や地政学的な混乱で景気への圧力が高まっていることを考慮した。新華社が財政省の当局者を引用して伝えた。全国人民代表大会(全人代)常任委員会は昨年10月、不動産税をより多くの都市に拡大することを承認。具体的な予定は明らかにしなかったが、一部の専門家は年末までに開始すると予測していた。

名誉会長が復帰

スターバックスはケビン・ジョンソン最高経営責任者(CEO)が来月に退任し、ハワード・シュルツ名誉会長が暫定CEOとして経営トップに復帰する計画だと発表した。これを受けて株価は一時8%を超える上昇となった。ジョンソン氏(61)は1年前に取締役会に対し、コロナ禍が収束に近づいたら引退を検討すると伝えていたという。シュルツ氏(68)はコスト上昇や全米各地での労働組合結成の動きなど、課題が山積する中でスターバックスを再び率いることになる。

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