[ニューデリー 1日 ロイター] – インドを訪問中のロシアのラブロフ外相は1日、インドはウクライナ戦争を巡り「一方的な見方」をしない友好国との見方を示し、インドなどの国との貿易に西側諸国以外の通貨を多用していく方針を示した。

ロシアが「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナ侵攻を非難していない主要国はインドと中国のみ。ラブロフ外相はジャイシャンカル外相との会談後の記者会見で、インドはウクライナにおける危機を「全体像として捉え、一方的な見方をしていない」とし、「ロシアとインドは友好国だ」と述べた。

ロシアはインドに対する最大の防衛装備品供給国。ラブロフ外相は、両国はロシアルーブルとインドルピーで原油や軍用機器などの取り引きを決済するとし、ロシアにはインドに必要なものを供給する用意があると表明。西側諸国の制裁措置による影響を回避する方法はあるとし、「これには軍事技術協力の分野も含まれる」と述べた。

ラブロフ外相はモディ首相とも会談し、ウクライナ情勢などについて説明。インド外務省が前日夜に発表した声明によると、モディ首相は暴力の早期停止を改めて要請すると同時に、和平に向け貢献する用意があると伝えた。

これに対しラブロフ氏は、インドによるウクライナとの仲介に前向きとしながらも、現時点ではそうした提案は受けていないと述べた。

前日には米国のシン国家安全保障担当副補佐官のほか、英国のトラス外相がニューデリーを訪れている。