[8日 ロイター] – ウクライナ東部クラマトルスクの鉄道駅が8日早朝、ミサイル攻撃を受け、子ども5人を含む少なくとも50人が死亡した。同地域の当局が明らかにした。ウクライナ東部クラマトルスクの鉄道駅(写真)が8日早朝、ミサイル攻撃を受け、子ども5人を含む少なくとも50人が死亡した。(2022年 ロイター)
ウクライナ当局によると、負傷者も約87人に達している。ゼレンスキー大統領はトーチカU短距離弾道ミサイルが使用され、意図的に市民を狙った攻撃だと非難。一方、ロシア国防省は、攻撃に使われたミサイルはウクライナ軍しか使用しないものだと指摘した。
クラマトルスクは国内のより安全な場所に避難するための拠点の一つ。クラマトルスク市長によると、攻撃された時、駅には女性や子ども、高齢者など4000人程度がいたという。
ゼレンスキー大統領は「戦場でわれわれに立ち向かう力と勇気がないため、血も涙もなく民間人を殺害しようとしている」とし、「際限のない悪だ。罰をもって止めるしかない」と述べた。
ゼレンスキーはその後行ったフィンランド議会でのオンライン演説で、攻撃当時、駅にはウクライナ軍は駅にいなかったと述べた。
ロイターは、現時点で攻撃に関する情報を確認できていない。
RIA通信によると、ロシア国防省は、攻撃への関与を否定。攻撃に使われたミサイルはウクライナ軍しか使用していないと指摘。ロシア軍は8日にクラマトルスクへの攻撃を指示されていないと説明した。
アレストビッチ・ウクライナ大統領府顧問は「(ロシア軍)は早朝で市民を攻撃するとわかったはずだ。現地には避難しようとする人が何千人もいた」と述べた。
この地域では前日も避難民を乗せた列車が空爆で運行を妨げられた。
欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表とウォレス英国防相は攻撃を非難。米ホワイトハウスのベディングフィールド広報部長は「ロシア軍がウクライナで戦争犯罪を犯しているという証拠が増えている」と述べた。
在ウクライナ米大使館は、ウクライナでのロシア軍による「新たな残虐行為」とし、「世界はロシアのプーチン大統領の責任を追及する」と言明した。