10日投開票のフランス大統領選挙では、現職マクロン大統領と極右政党・国民連合(RN)のマリーヌ・ルペン候補が今月24日の決選投票に進出する見通しとなりました。3月末に1ユーロ=1.10ドル台で推移していたユーロは、マクロン氏が支持率で差を詰められているとの世論調査を背景に、8日には1.08ドル台まで下落していましたが、10日は1.09ドル台まで戻し、ひとまずマクロン氏の続投を見込んだ格好です。ただ、近年はトランプ氏の米大統領選勝利や英国の欧州連合(EU)離脱など下馬評を覆す出来事が多発しているだけに予断を許さない状況です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
決選投票に
フランス大統領選はマクロン氏とルペン氏が24日の決選投票に進出する。第1回投票の世論調査会社の暫定予測によると、得票率予測はマクロン氏が約29%、ルペン氏が24%。急進左派のジャンリュック・メランション氏は約20%で3位。決選投票の世論調査では、マクロン氏が51%と優勢で、ルペン氏の49%を上回っている。
統括司令官
ロシアはウクライナでの軍事作戦を統括する司令官に南部軍管区のドゥボルニコフ司令官(60)を任命した。今後は同司令官が地上部隊の指揮にあたると、事情に詳しい西側諸国の安全保障当局者や外交官が明らかにした。ドゥボルニコフ氏は、内戦下のシリアでアサド政権軍を支援する2015年と16年の軍事作戦でロシア軍を指揮したことで知られる。
架け橋
オーストリアのネハンマー首相は11日にモスクワを訪問し、ロシアのプーチン大統領と会談する。ウクライナで首都キーウ(キエフ)などを訪問後、報道機関に発表し、ツイッターでも明らかにした。ネハンマー首相は昨年12月に就任したばかりで外交経験も浅いが、オーストリアは永世中立国として欧州東西両陣営の架け橋になると認識されている。
奇跡再びか
オーストラリアのモリソン首相は記者会見で、下院を解散し、総選挙を5月21日に実施すると発表した。与党の保守連合(自由党・国民党)は世論調査で最大野党の労働党にリードを許しているが、2019年の前回総選挙前も同じような状況だった。同年の総選挙は、モリソン首相が「奇跡」と呼ぶ僅差での与党勝利となった。労働党のアンソニー・アルバニーゼ党首は賃上げや物価上昇抑制を訴え、政権交代を目指すと表明した。
失職
パキスタンのカーン首相が失職。同国下院で10日未明行われた不信任決議では、不信任賛成が可決に必要な票数をわずかに上回った。野党側は下院の任期が終わる2023年8月までパキスタンを統治する首相候補として、カーン首相より軍との関係が良好なシャハズ・シャリフ氏を指名する見込み。この首相交代によって米国との結びつきが強くなり、国際通貨基金(IMF)からの融資を確保しやすくなる可能性がある。
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