テレビ朝日系(ANN)

 ロシアのある大物議員の発言が波紋を広げています。

■「ロシアは北海道の権利を有する」

 「公正なロシア」セルゲイ・ミロノフ議員:「どの国にも願望があれば、隣国に領土要求を提出することができる。専門家によれば、ロシアは北海道の権利を有している」

 これは、ロシアのセルゲイ・ミロノフ議員が所属する政党のホームページで、公式に表明した言葉です。

 セルゲイ氏は、10年近く上院議長を務めるなどの実績があり、現在はプーチン氏に近い、保守政党の党首を務めています。

 ロシアの国内メディア「レグナム」によると、セルゲイ氏はさらにこんな発言もしました。

 セルゲイ・ミロノフ氏:「日本の政治家たちが、第2次世界大戦の教訓と関東軍の運命を、完全に忘れていないことを願っている。さもなければ、我々は彼らに、その記憶を新たに呼び覚まさなければならないだろう」

■“報復”は専門家「リップサービス」

 日本の制裁に対して、ロシアの「報復検討」が伝えられるなか、飛び出したこれらの発言。専門家は、次のように話します。

 ロシアの武力紛争を長年取材 ジャーナリスト・常岡浩介氏:「プーチン氏の進める、ウクライナ戦争を支えるための、リップサービスのような内容と受け止めてもよいのではないか」

 先月30日には、国後島方面でロシア軍の照明弾とみられる光が確認され、ロシア国防省は北方領土で、1000人規模の軍事演習を始めたと発表しています。

 ロシア軍が、軍事行動を起こす可能性はあるのでしょうか?

 常岡浩介氏:「現実的に、ロシア軍が北海道に上陸作戦をする能力があるかといえば、全くない。すぐに軍事的な脅威があるとみる必要はない。プーチン氏は、プロパガンダを国内に向けて繰り返している。その国内向けのプロパガンダで出てきた『北海道に権利がある』という言葉ですので。日本人があおられてしまうのは、非常にまずい状況だと思う」 (「グッド!モーニング」2022年4月8日放送分より)