[ウィーン 13日 ロイター] – 欧州安保協力機構(OSCE)は13日、ロシア軍がウクライナで戦争犯罪と人道犯罪を犯した証拠が裏付けられたとする専門家チームの報告書を公表した。
ウクライナ側でも、戦争捕虜の扱いなどを巡る「違反行為」が確認されたと指摘したが、ロシア側の違反行為は「性質と規模」においてこれをはるかに上回っているとした。
専門家チームはOSCE加盟57カ国のうち45カ国が先月、ウクライナにおける戦争犯罪などの証拠を収集し、国際機関に報告するために設置。ロシアは設置に反対した。
報告書は、ロシア軍による明らかな国際人道法違反が確認されたと指摘。3月9日に発生したウクライナ南部マリウポリの産院と小児病院への攻撃はロシア軍によるもので、戦争犯罪に当たるとの見解を示した。また、少なくとも300人が犠牲になったと見られているマリウポリの劇場への攻撃も戦争犯罪に当たるとした。
米国のマイケル・カーペンターOSCE代表は報告書について「ロシア軍がウクライナで行った非人道的行為が記されている」とし、「民間人を直接標的としたことに加え、医療機関への攻撃、レイプ、処刑、略奪、民間人のロシアへの強制連行などの証拠が記載されている」と述べた。
これに対しロシアのOSCE代表部はツイッターへの投稿で、報告書は「根拠のないプロパガンダのみに基づいている」と反論した。