[ブラジリア 14日 ロイター] – ロシアのシルアノフ財務相がブラジルのゲジス経済相に書簡を送り、国際通貨基金(IMF)などの国際金融機関や20カ国・地域(G20)グループといった多国間会合において、ロシアが非難を浴びたり、差別的な扱いを受けたりするのを阻止するために、ブラジルに支援してほしいと要請した。ロイターが書簡の内容を確認した。
書簡は3月30日付で、ロシアの駐ブラジル大使を経由して今月13日にゲジス氏に届けられた。
シルアノフ氏は「水面下ではIMFと世銀の内部で、意思決定におけるプロセスへのロシアの関与を制限、あるいはロシアを排除する動きが進んでいる。ご存じの通り、ロシアは米国とその同盟国が科した制裁のため、経済・金融面の混乱という困難な局面にある」と説明した。
その上で同氏は、こうした制裁はIMFと世銀を生み出したブレトンウッド合意の諸原則にも違反していると主張。「主要7カ国(G7)による過去にない経済制裁に起因する現在の危機は、われわれが解決に向けて協調行動を取らない限り、長期的な計り知れない結果をもたらすかもしれない」とゲジス氏に訴えている。
ブラジルはウクライナ危機について中立的な姿勢を維持し、今のところロシアのウクライナ侵攻を非難していない。極右のボルソナロ大統領は、ウクライナ侵攻直前にロシアを訪問してプーチン大統領と会談し、「連帯感」を表明していた。
イエレン米財務長官は先週、G20の会合にロシアが参加する限り、米国は出席しないと発言。しかしブラジルのフランサ外相は、ロシアをG20から排除することに反対する考えを示している。
今回の書簡に関してブラジル経済省の高官は「ブラジルの見解としては、開かれた対話を続けることが大事になる。われわれの架け橋は国際機関であり、これらの架け橋は維持しなければならない」と述べた。