[20日 ロイター] – ウクライナは20日、南東部の港湾都市マリウポリに取り残されている部隊と民間人を退避させるため、条件なしの協議をロシア側に提案した。
ロシアとの停戦交渉を率いるウクライナのポドリャク大統領府長官顧問はツイッターに投稿し、協議は「1対1か、2対2になる。民間人やアゾフ大隊、部隊、市民、子供、負傷者を救うためだ」と説明した。
ウクライナ当局は20日、マリウポリから民間人を退避させるため、一時停戦して「人道回廊」を設置するとの合意をロシア側が守らず、多くが避難できなかったと批判した。
マリウポリはロシア軍の激しい攻撃を受け、市民の避難ができない人道危機が続いている。現在はアゾフスターリ製鉄所にウクライナ軍兵士が立てこもり、ロシア側の投降要求を拒否している。
ウクライナの別の交渉担当官アラハミア氏はインターネットへの投稿で、自身とポドリャク氏がマリウポリのウクライナ軍部隊と連絡を取り合っていると明らかにした。
現地で直接交渉を行うという提案がなされたとし、ロシア側から確認が取れ次第、交渉に臨む用意があると述べた。
マリウポリ防衛を主導しているウクライナの準軍事組織アゾフ大隊の幹部は、ロシアによる投降要求を拒否し、一方で民間人を避難させるための合意を求めたと説明。ただ、ロシア側による継続的な砲撃と停戦合意の不履行により民間人の避難は不可能になったと述べた。
アゾフ大隊の副司令官、Svyatoslav Palamar氏はインターネットに投稿した動画で「第三者の支援だけが民間人の製鉄所からの避難を可能にする」と強調し、ポドリャク氏とアラハミア氏に対して、ロシア側の交渉担当者と共に現地入りするよう求めたと明かした。