[ポーランド南東部 25日 ロイター] – 米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は24日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。ロシアが軍事侵攻した2月24日以降、米高官による初のウクライナ訪問となる。米当局者によると、両長官はウクライナへの支援継続や米外交官の帰任などを伝えた。 

今回の米高官らのウクライナ訪問にメディアは同行しなかった。米当局者は、米高官らが安全に出国した後に報道することを条件に記者団に会談について明らかにした。

ポーランドで会見したブリンケン長官は「ロシアの戦争の目的を踏まえると、ロシアはすでに失敗しており、ウクライナはすでに成功している」と発言。

オースティン長官は「われわれが今の戦いに勝利できるようにすること、また明日のためにつくり上げていくことが、会談の主な議題となった」とし「非常に生産的な」協議だったと述べた。

ブリンケン長官は「キーウの通りに人々の姿を確かに見た。キーウの戦いに勝利した証拠だ」とする一方、「ウクライナの他の地域、南部、東部で起きていることは、非常に対照的だ。ロシアの残虐行為は恐ろしい」と述べた。

キーウには列車で直行したため、一般のウクライナ人と接触する機会はあまりなかったという。

オースティン長官は、米軍の支援物資が「想像を絶するスピード」でウクライナに届いているとも述べた。

米当局者によると、両長官は会談で、ウクライナとロシアによる侵攻の脅威にさらされている中・東欧およびバルカン諸国15カ国に対して7億1300万ドルの新たな支援を表明した。

国務省高官によると、ブリンケン長官とオースティン長官はゼレンスキー大統領に対し、3億2200万ドル以上の新たな軍事支援を伝えたという。

また、ウクライナから一時退避させた米外交官を段階的に帰任させる考えを伝えた。来週まずポーランド国境に近いウクライナ西部の都市リビウでの業務を始める計画という。

米政府はロシア軍事侵攻の約2週間前にキーウの大使館から職員を退避させ、大使館機能をリビウに移転、最終的にはポーランドに移した。