[27日 ロイター] – ミャンマー国軍の統制下にある裁判所は27日、民主化指導者アウンサンスーチー氏に汚職の罪で禁錮5年の判決を言い渡した。関係者が明らかにした。
スーチー氏は11件の汚職罪で起訴されており、今回初めて判決が出た。汚職罪は1件につき最大禁錮15年。
起訴は少なくとも18件に上り刑期は最長190年に及ぶため、同氏の政治復帰の可能性はほぼ断たれている。
関係者によると、開廷と同時に裁判官が判決を言い渡し何も説明しなかった。裁判は非公開で行われた。スーチー氏は控訴する方針という。
判決が出たのは、ヤンゴン地域首相だったピョーミンテイン氏から現金60万ドルと金塊11.4キログラムを賄賂として受け取ったとされる事件。スーチー氏側は起訴内容を否定している。
欧州連合(EU)は判決を確認したとの声明を発表。この裁判は政治的な動機によるもので、民主主義の後退であり、法による統治の解体に向けた動きであり、明らかな人権侵害だと批判した。
ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局局長代理フィル・ロバートソン氏は「ミャンマーの軍事政権といかさま裁判所は、スーチー氏に終身刑に相当する判決を下そうとしている」と指摘した。
「ミャンマーの民主主義を破壊することはスーチー氏を排除することでもあり、軍事政権はチャンスを逃すことはない」と述べた。