[ニューヨーク 27日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。米連邦準備理事会(FRB)が来週追加利上げを実施することが想定される中、主要6通貨に対するドル指数は5年ぶり高値を付けた。一方、ユーロは下落。ロシアがポーランドとブルガリアへのガス供給を停止したことを受け、欧州の成長を巡る懸念が高まった。
FRBは5月3ー4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)および6、7月の会合で50ベーシスポイント(bp)の利上げに踏み切ると予想されている。
ロシアのエネルギー大手ガスプロムは27日、ポーランドとブルガリアへのガス供給を停止し、ルーブルでの支払いがなかったため供給を完全に停止したと説明した。
スコシアバンクのアナリスト、ショーン・オズボーン氏らは報告書で「ロシアの天然ガス供給停止の可能性に伴うユーロ圏の景気後退の脅威が、ユーロを5年ぶり安値に押し下げた。心理的な節目である1.05ドルを試す展開も真実味を帯びてきた」と述べた。
ユーロは一時、2017年3月以来の安値となる1.0515ドルに沈んだ。終盤の取引では1.0561ドル近辺まで戻した。4月はこれまでに4.6%下落しており、月間としては約7年ぶりの大幅な下げを記録する見通し。
ドイツのハベック経済相は27日、今年の国内経済成長率見通しを2.2%に下方修正し、ロシア産エネルギー禁輸もしくは制限措置が講じられれば、リセッション(景気後退)に陥る恐れがあるという認識を示した。
ロシアのウクライナ侵攻による欧州への影響に加え、新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない中国の成長減速懸念もドルへの追い風となった。
中国北京市は27日、今週2回目の新型コロナウイルス大規模検査を実施。人口約2200万人のうち約2000万人を検査する予定。
ドル指数は一時103.28と、17年1月以来の高値を付けた後、終盤は102.93で推移した。
円は対ドルで128.3円。先週は20年ぶりの安値となる129.4円を付けていた。28日までの2日間の日程で開催される日銀金融政策決定会合の結果が注目される。
英ポンドは0.24%安の1.2542ドル。低調な英小売売上高統計を受け、一時21カ月ぶりの安値となる1.2502ドルを付ける場面もあった。
豪ドルは一時2月以来の安値に沈んだもののその後は下げ幅を縮小し、終盤は0.07%安の0.7120米ドル。第1・四半期の豪消費者物価指数(CPI)が21年ぶりの高い伸び担ったことを受け、早ければ来週にも利上げがあるとの観測が強まった。