[29日 ロイター] – 米国株式市場は大幅安となり、1日の下げが2020年以降で最大となった。低調な決算を発表したアマゾン・ドット・コムが売られたほか、3月の米個人消費支出(PCE)価格指数の前月比の伸びが2005年以来の大きさとなったことを受け、利上げ懸念が一段と高まった。
米商務省が29日発表した3月のPCE価格指数は前月比で0.9%上昇と05年9月以来の高さとなった。
アマゾンは14.05%安と1日の下げとしては06年以降で最大となり、約2年ぶりの安値近辺となった。28日に発表した第2・四半期の業績見通しが市場予想を下回ったほか、倉庫の運営費と配送費の増加が重しになる中、第1・四半期は純損失を計上した。
アップルも3.66%安。28日発表した第2・四半期(1─3月)決算は利益と売上高が過去最高を更新したが、経営陣がさえない見通しを示したことが重しとなった。
業種別では、S&P主要11セクター全てが下落。一般消費財が5.9%安、不動産が4.9%安となり、下げを主導した。
S&P総合500種とナスダック総合は1日の下げがそれぞれ20年6月以来、20年9月以来の大きさを記録した。
チェース・インベストメント・カウンセルのプレジデント、ピーター・トゥズ氏は、アップルやアマゾンなどのさえない見通しが株安の下地を作り、週末や来週の連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中で、引けにかけて下げが加速したと述べた。
ナスダックの4月の下落率は約13%と、08年の世界金危機以降で最大。
S&Pは年初来で13%安。同期間の下落率としては1939年以来の大きさとなった。
週間ではS&Pが3.3%、ナスダックが3.9%、ダウ工業株30種が2.5%それぞれ下落した。
S&Pが1日に2%以上の上昇または下落を記録したのは22年に入り33回。21年は通年で24回だった。
石油最大手エクソンモービル は2.24%安。ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」事業からの撤退に伴い34億ドルの評価損を計上した。
28日までに四半期決算を発表したS&P500構成銘柄の約半数のうち81%が市場予想を上回った。リフィニティブによると、市場予想を上回るのは通常66%程度という。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.91対1の比率で上回った。ナスダックでも2.85対1で値下がり銘柄数が多かった。