[北京/上海 1日 ロイター] – 中国の首都北京は1日、新型コロナウイルスの感染抑制策を強化した。一方、上海市では、コロナ対策で隔離措置が取られている区域以外での新規感染者数が2日連続でゼロとなり、一部住民の外出が許可された。
北京は対人距離確保に関する規制を強化したほか、人口が多く感染が深刻な地区で、住民の新たな検査を開始した。北京は今回の感染増が始まって10日になるが、ロックダウン(都市封鎖)は行っていない。
北京はこの1週間、市内16地区の大半で検査を実施。全ての娯楽施設を閉鎖したほか、外食も禁止している。テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・北京」は1日、感染対策を理由に一時休園を発表した。
また、万里の長城の観光地・八達嶺では、訪問者にコロナ検査の陰性証明の提示が求められている。
上海はなお市の大半がロックダウン下にあるが、隔離区域を除くと市中感染リスクが抑えられていると判断。一部地区で制限を緩和した。
上海市のコロナ対策を監督するため同市に派遣されている孫春蘭副首相は、まだ気を緩める時期ではないが、7日間新規感染者が出ない地区は「通常の社会秩序」への回帰が認められるべきだと述べた。
市当局者によると、16地区のうち6地区で3日連続で新規感染者が出ず、「ゼロコロナ」を達成した。5地区では公共交通機関の運行再開を許可、住民は居住地区内に限ってスーパーなどに行くことが可能になる。
本土外からの渡航者を除いた中国の4月30日の新規感染者数は8256人で、前日の1万0703人から減少。新規感染者は北京が59人、上海は7872人。死者数は38人で、その全てが上海だった。